再生計画と価値づけ 和室編
基本的な間取りを模式図にしています。おわかりいただけるでしょうか。操作性に欠けており大変申し訳ないですが、創造で補っていただく必要がありますのであしからず。
建物は、南向きに面した建物配置となっています。以前にも紹介した4つ間取りという形態で、東に土間、並んで8畳の和室1~4が田の字に4つ並びます。さらに西側に日の字の形で、和室5・6の4畳(押し入れを含め6畳)のスペースが並びます。和室4と6には、縁側を併設します。
北側
和室5 和室3 和室1 土間
和室6 和室4 和室2 土間
| 縁側 |
南側
価値づけ
和室1
天井のボードをはがすと、立派な梁が見えてきました。ここを見せなくては、もったいないと思いました。
桁行きに渡される骨太の梁ですが、曲がった丸太材を半割にして、和室2と対になるように渡されています。古民家を調べる書物などによると、4つ間取りのこの部屋を、ダイドコと呼ぶそうであるが、台所ではありません。
また正面の外観は、戸が左右に開け放たれる、引き分けという開き方。写真の右端に移る玄関戸とは異なり、中心の柱からそれぞれの戸を左右に開きます。主人や、公式な訪問者を招きいれるための入り口とも思えます。
和室2
和室1と対になる屈曲した梁が、仲良く小屋組みを支えているように思えます。双子なのか、兄弟か、大黒柱の(父)とともに、この一組の梁が家を支えてくれている安心を感じてしまいます。
ちなみ大黒柱は、次回のお楽しみ。
和室3
小屋裏の天井が見えてくると、茅葺きの民家がかつて皆そうであったのか、竹簀子天井(たけすのこてんじょう)が姿を現しました。
これは、川崎民家園で見たやつだ! 思わずキターッ!と思いました。心のなかで。先の和室1で見えた立派な梁を見た瞬間に続いて、興奮冷めやらぬ私の心中をお察しください。これは、見せる価値がある、、、が、このままだと、家の天井が全て吹き抜け状態になってしまう。再生計画では、ひとまず「価値はある」と判断しました。(見せる見せないは別として、保存する価値はあると判断しました。)
和室4
写真では取り外していますが、重厚な板戸にある部屋です。
窓からは格子が見えます。納戸は家中の人々が寝るところ、風は取り入れたいが、侵入者を拒みたい、そんな格子が町屋の入り口のようにかっこよいのです。
(続く)